お子様はお断りしております。。。
そういう宿もたくさんあるのを知って
なんとなく寂しく思うけれど
宿側の想いはすごく理解できる。

だから宿を選ぶのには慎重になる。
息子が生まれる前から泊まりに行っている場所は
知っていることが多くて安心。
ここ、数馬のたから荘。
同じ2歳の女の子が玄関で迎えてくれた。
それだけで心がほっとするなんて、
子どもが生まれる前は分からなかった。

涼しい空気。夕日の道。蝉のお話しカナカナカナ。
山菜料理を食べながら、2歳児にはお子様ランチ。

はじめての檜原村はどうだい？
茅葺屋根のお宿は、どこか懐かしい。

「おうちの畳といっちょだね」
そうだね。色んな一緒を見つけようね。
色んな一緒じゃないものも見つけようね。

畳に刺す光。誰かがつくってくれたご飯。
川の音、扇風機と窓からの風。

「ママ！おうちといっちょのテレビあるよー」
「ママ－！おうちといっしょのまくらもあるよ－」
「これ、お化けみたいだねえ」
掛け軸をみて怖がる。
でんぐり返し、布団の中でいないいないばあ。

お宿の遊歩道はしっとりしていて。
滑りそうだから気をつけて。どんどん進む後ろ姿。

橋の上から見る川の流れ。
「お魚ちゃん、ながれていかないかな？」
いつも息子は誰かや何かを心配している。

でもママは、いつも
きみが心配。
たまに、パパが少しだけ心配　笑

写真・文／鈴木さや香